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改定の資料、分厚すぎて読む気になれません。結局、うちの薬局は何が変わったんですか?

6月のレセプトで、見慣れない加算の名前に手が止まった。そんな経験はありませんか?
2026年度の調剤報酬改定では、名前ごと入れ替わった加算がいくつもあります。前の感覚のままだと、話がかみ合いにくい改定です。
この記事では、改定で変わった所が薬局の種類ごとに分かります。点数は、厚生労働省の告示で確かめられた数字だけを載せています。確かめられなかった点数は書かず、原本の開き方を案内しています。
薬局の種類の並びは、この記事の整理の都合で決めたものです。国が順位を付けているわけではありません
結論:今回は「名前が変わった所」から押さえる
先に答えを言います。今回は点数の上げ下げより、名前と組み立てが変わった所を先に押さえるのが近道です。
名前が変わると、届出もレセコンの設定も変わるからです。
| 薬局の種類 | まず見ておきたい所 |
|---|---|
| 処方箋が1つの医療機関に集中している薬局 | 門前薬局等立地依存減算(基本料から引かれる仕組み) |
| 地域支援体制加算・後発医薬品調剤体制加算を取っていた薬局 | 地域支援・医薬品供給対応体制加算(1〜5) |
| かかりつけ薬剤師がいる薬局 | 服薬管理指導料まわりの、かかりつけ薬剤師の評価 |
| 在宅訪問をしている薬局 | 在宅患者訪問薬剤管理指導料と、訪問の形ごとの評価 |
| すべての薬局 | 調剤管理料の区分、ベースアップ評価料、物価対応料 |
改定全体の基本の情報は次のとおりです。
- 告示は「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号・令和8年3月5日)
- 施行は令和8年6月1日です。経過措置のある施設基準には、8月1日・10月1日以降も算定を続けるのに届出が必要なものがありました
- 施設基準の届出は、5月7日〜6月1日に厚生局に届けば6月1日から算定できる扱いでした
- 疑義解釈は、その1(3月23日)からその13(9月25日)まで出ています。現場の質問への国の答えです
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(2026年10月21日閲覧)、北海道厚生局「令和8年度診療(調剤)報酬改定及び訪問看護療養費改定に伴う関連資料等について」(2026年9月14日更新・2026年10月21日閲覧)

点数の新旧の比べ方も知りたいんですが、載っていないんですか?


改定前の数字は、この記事では載せていません。公式の資料で比べる手順を後半に書いたので、そちらで確かめてください。
薬局長として10年、改定を迎えてきて思うこと
私は1年目から薬局長(管理薬剤師)を10年やりました。2年に1度の改定は、段取りを組み直す行事でした。
正直に言うと、この先の業界は楽ではないと感じていました。2年ごとの改定で、薬局の経営は厳しくなっていくと見ていたからです。
それでも、改定は読めば怖くありません。あなたは、改定の資料をどこから開いていますか?
私自身の改定まわりの経験は、次のとおりです。
- 1年目の薬局では、後発医薬品調剤体制加算に取り組んだ。最初は現場に反対されて失敗した
- 人間関係ができてから頼み直し、当時の加算2(22点)を算定できた
- 在庫を他の店舗と融通して、廃棄も減らした。こうした取り組みで、年間利益500万円アップにつながった
転職した後の薬局では、地域支援体制加算を取りました。条件の土曜開局は、先に残業代を約束してもらってから引き受けています。

22点は当時の私の記録です。今はこの加算の名前ごと変わっているので、今の点数は次の節を見てください。
改定は「点数を覚える行事」ではなく「現場の段取りを組み直す行事」だと、私は思っています。
処方箋が集中している薬局:門前薬局等立地依存減算
門前や医療モールの薬局が、まず見ておきたい所です。今の点数表には、門前薬局等立地依存減算があります。
当てはまる薬局は、調剤基本料から15点を引かれます。どの薬局が対象か、経過の扱いがあるかは、施設基準の告示と通知に細かく書かれています。
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分00の注(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
うちは門前です。もう引かれているんですか?


そうとは限りません。新しく開いた薬局だけが対象か、経過の扱いがあるかも含め、条件が細かく決まっています。確かめ方は後半で案内します。
前の感覚で読むと、ずれやすい所です。条件は推測で決めず、告示と通知で見てください。
敷地内薬局などは、特別調剤基本料A(5点)の区分にも関わります。自分の区分が今も同じか、届出の控えと見比べておくと安心です。
チェーンの薬局と地域の薬局:基本料と新しい体制の加算
基本料の今の点数は次のとおりです。区分は、処方箋の受付回数や集中の度合い、グループの規模などで決まります。

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分00(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
もっと大きいのは、体制の加算の組み直しです。今の点数表に、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算の名前はありません。
今の点数表では、新しく「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が置かれています。
改定前の2つの加算との関係は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」で確かめてください。あなたの薬局は、以前どちらを取っていましたか?
今の点数表には、地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5の5つの区分が並びます。点数は、加算1が27点、2が59点、3が67点、4が37点、5が59点です。どの区分に当たるかの条件は、後半の「改定の中身を自分で確かめる手順」で通知を開いて見てください。
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分00の注(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
算定できるのは、施設基準を満たして厚生局に届け出た薬局だけです。高い区分を狙う話ではありません。今の体制がどこに当たるかを確かめる話です。

名前が長くて、患者さんにどう説明すればいいか迷います。


患者さんへの説明の言葉は、薬局の中でそろえておくと楽です。名前の意味は、概要資料の説明に合わせてください。
このほか、バイオ後続品調剤体制加算と電子的調剤情報連携体制整備加算も、区分00の注に置かれています。点数と数え方は告示で確かめてください。
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分00の注(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
古い加算の名前のまま控えを探すと、今の体制とずれやすくなります。まず名前を新しい方に読み替えてください。
かかりつけ薬剤師がいる薬局と、在宅訪問をしている薬局
今の点数表では、かかりつけ薬剤師の評価は服薬管理指導料の中に置かれています。服薬管理指導料の1と2が、それぞれ「かかりつけ薬剤師が行った場合」と「それ以外の場合」に分かれた形です。
点数は、原則3か月以内に手帳を持って再び来た方が45点、それ以外の方が59点です。どちらの形でも同じ点数です。
前の「かかりつけ薬剤師指導料」という名前は、今の点数表にはありません。かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・かかりつけ薬剤師訪問加算という加算もできています。条件は通知と疑義解釈で確かめてください。
施設への訪問やオンラインで行う場合は、別の区分があります。
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分10の3(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年10月21日閲覧)
かかりつけの指導料は、前と同じように取れるんですか?


前の感覚のまま算定しないのが安全です。今の名前と形は、告示と疑義解釈で見てください。
在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物の患者さんが1人の場合)は650点です。
訪問の形によって別の評価が置かれている場合があります。今の区分と点数は、告示の第2節と通知で確かめてください。

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 第2節 薬学管理料(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
算定できる場面と回数は、通知で細かく決まっています。
在宅は、訪問の記録の取り方まで含めて、通知の条件と照らしておきましょう。
すべての薬局に関わること:調剤管理料と2つの新しい料
どの薬局にも関わるのが調剤管理料です。内服薬は1剤につき、28日分以上の長期処方なら60点、それ以外は10点です。
今の点数表では、28日分以上かどうかの2つに分かれています。前の区分に慣れていると見落としやすいので、レセコンの表示も一度見ておくと安心です。
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分10の2(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
調剤管理料の加算は、今の名前と条件を告示の区分10の2と通知で確かめてください。
もう1つは、点数表の第5節「その他」に置かれた2つの料です。
| 名前 | 今の点数 | 数え方 |
|---|---|---|
| 調剤ベースアップ評価料 | 4点 | 処方箋の受付1回につき |
| 調剤物価対応料 | 1点 | 3か月に1回に限り |
どちらも令和9年6月以降は、所定点数の100分の200と告示に書かれています。つまり2倍です。
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」別表第三 調剤報酬点数表 区分40・区分41(令和8年3月5日厚生労働省告示第69号・2026年9月29日閲覧)
ベースアップ評価料は、職員の賃金を上げる体制を届け出た薬局が算定できます。
令和8年6月から算定するには、令和8年5月中に厚生局へ届け出る必要がありました。これから初めて算定する場合の届出の時期と様式は、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」のページと、管轄の厚生局で確かめてください。
それと、毎年8月に賃金改善の報告を厚生局に出します。令和8年8月は、令和8年度分の中間報告でした。調剤ベースアップ評価料は令和8年6月からの料なので、薬局が出すのは令和8年度分の報告です。
令和9年8月は、令和8年度分の実績報告と令和9年度分の中間報告です。
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」(2026年9月2日更新・2026年10月21日閲覧)、北海道厚生局「令和8年度診療(調剤)報酬改定及び訪問看護療養費改定に伴う関連資料等について」(2026年9月14日更新・2026年10月21日閲覧)
報告の時期を忘れない
- 毎年8月に賃金改善の報告を出す
- 提出先は厚生局の都道府県の事務所
- 様式は厚生労働省のページで探す

改定の中身を自分で確かめる手順
この記事は全体の地図です。自分の薬局に当てはめる時は、原本を開いてください。
ネットの解説どおりに設定したら、疑義解釈で扱いが違っていた。こんな経験、ありませんか?
改定の資料は、次の手順で開けます。
- 「令和8年度診療報酬改定について 厚生労働省」で検索し、厚生労働省のページを開く
- 「告示」の欄で点数表、「通知」の欄で留意事項通知を開く
- 同じページの「疑義解釈資料」を、その1から順に開く
- ファイルの中は command+F か Ctrl+F で、「調剤」や加算の名前を探す
- 新旧を比べたい時は「令和8年度診療報酬改定説明資料等について」で検索し、「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」を開く
自分の薬局の届出を確かめたい時は、次の手順です。
- 「関東信越厚生局 施設基準 届出受理状況」のように、地域の厚生局の名前で検索する。厚生局は北海道・東北・関東信越・東海北陸・近畿・中国四国・九州の7つ
- 都道府県ごとの名簿のファイルを開く
- command+F か Ctrl+F で薬局名を探す
四国の4県は四国厚生支局、沖縄県は九州厚生局沖縄事務所のページに載っています。
迷った時の順番
- まず告示で点数と名前を見る
- 次に通知で条件と数え方を見る
- 最後に疑義解釈で細かい扱いを見る

告示・通知・疑義解釈は、それぞれ役目が違います。この順番で開けば、迷う回数はぐっと減ります。
ここでも、点数は告示、条件は通知、細かい扱いは疑義解釈という読み分けが要になります。
よくある質問
2026年度の改定は、いつから適用されていますか?
令和8年6月1日からです。ただ、経過措置のある施設基準には、8月1日・10月1日以降も算定を続けるのに届出が必要なものがありました。自分の薬局の届出が関わるかは、管轄の厚生局のページの「施設基準の経過措置に関するお知らせ」で確かめてください。
出典:北海道厚生局「令和8年度診療(調剤)報酬改定及び訪問看護療養費改定に伴う関連資料等について」(2026年9月14日更新・2026年10月21日閲覧)
後発医薬品調剤体制加算は、もう取れないのですか?
今の点数表には、その名前の加算はありません。新しく「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が置かれています。前の加算との関係や経過の扱いは、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」と通知で確かめてください。
改定前の点数と比べた表は、どこで見られますか?
この記事では改定前の点数を載せていません。比べる時は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」を開いて確かめてください。
自分の薬局がどの区分か分からない時は?
まず薬局の届出の控えを見て、厚生局の届出受理状況の名簿と照らし合わせてください。それでも分からない時は、管轄の厚生局の窓口に相談すると早いです。
まとめ:改定は「名前の読み替え」から始める
2026年度の調剤報酬改定は、点数の上げ下げよりも、加算や区分の名前と組み立てが変わった所が大きい改定です。
- 門前の薬局は、門前薬局等立地依存減算の条件を確かめる
- 体制の加算は、地域支援・医薬品供給対応体制加算(1〜5)に読み替える
- 調剤管理料は「28日分以上かどうか」の2区分
- ベースアップ評価料は、毎年8月の報告を忘れない
点数を知るだけでなく、自分の薬局の届出と現場の段取りまで落とし込んで、はじめて改定に対応できたと言えます。
今日できることを1つだけ挙げるなら、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」のページを開いて、ブックマークしておくことです。次に迷った時、そこから全部たどれます。
