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次の職場では、もう人間関係で失敗したくないんです。

自動ドアが開いた瞬間、空気が冷たいと感じたことはありますか?
私が入社して、配属前に初めてその店を見学した日がそうでした。キーボードの音と足音だけが響き、すれ違う人の視線は冷たいままでした。
この記事では、人間関係が悪い薬局を職場見学で見分けるための「見る5か所」と「面接で聞くこと」が分かります。
求人票には、職場の空気は書かれていません。だから見学の短い時間を、どこに目を向けて使うかが大事です。
結論:見るのは「人」より「仕組み」
先に結論です。見学では、スタッフの笑顔の数より、空気を悪くする仕組みがあるかを見ます。
人間関係が悪い薬局に、性格の悪い人が集まっているとは限りません。忙しさを受け止める仕組みが無いと、人はだんだんトゲトゲしていきます。

見学の日は、いつもと少し違う顔を見せることもあります。だから顔より、棚や表や動き方を見るのがおすすめです。
私が入った薬局は、とても忙しい店でした。忙しさに仕組みが追いつかず、空気がいつもピリピリしていました。
人の機嫌は日によって変わる。仕組みは見学の日も変わらない

このあと、私の1年目の話をしてから、見る5か所を順に書きます。
私が1年目に配属された「モンスター薬局」
私は1年目から管理薬剤師(薬局長)として、地方の中小の薬局グループに入りました。配属されたのは、約20店舗の中で一番売上の高い、大きな病院の前の薬局です。
処方箋は月に約2400枚。本部から遠く、会社の目が届きにくい店でした。
冷たい言葉とマニュアルの無い現場
その店には、新人向けのマニュアルがありませんでした。仕事は「見て覚えろ」です。
分からないことを聞くたびに、冷たい言葉が返ってきました。「管理薬剤師なのに、そんなことも知らないんですか?」と言われたこともあります。
元気な挨拶にまで「うるさいです」と言われました。朝からつらかったです。
正直に言うと、心は何度も折れかけました。普通なら1週間で辞めたくなる環境だったと思います。
それでも辞めなかった理由
踏みとどまれたのは「自分原因論」のおかげです。問題が起きた時に、まず自分にできたことは無いかを考える習慣のことです。
他人のせいにしても、状況は1ミリも動きません。だから私は、分からなかったことを毎日メモし、家で復習しました。
ただ、ここは誤解してほしくない所です。自分原因論は、自分を責め続けることではありません。
自分原因論の使い方
- 自分で変えられる所は、自分から動いて変える
- 自分では変えられない仕組みは、次の職場選びで避ける
- どちらか分からない時は、まず相手に理由を聞いてみる
この記事は、2つ目の「避ける」ためのものです。
人間関係が悪くなるのは、忙しさの「受け皿」が無い時
人間関係が悪い薬局には、共通点があります。忙しさを受け止める仕組みが無く、そのしわ寄せが人に向かうことです。
私の配属先で見えていたことと、そこから起きやすいことを表にしました。
| 見えていたこと | そこから起きやすいこと |
|---|---|
| マニュアルが無い | 教える人によってやり方が違い、新人が聞くたびに空気が張りつめやすい |
| 薬剤師が事務スタッフの顔色をうかがう | 指示を出す人がいない。冷めた空気が広がる |
| 誰も有給を取っていない | 疲れが抜けず、小さなことでぶつかる |
| 本部から遠く、目が届かない | 会社の決まりが届かず、店ごとのやり方で回りやすい |
この中に、「この人が悪い」という行はありません。どれも、仕組みの穴です。
あなたが今いる職場は、どの行に近いですか?
それって、入ってみないと分からないんじゃないですか?


全部は分かりません。でも穴の「跡」は、見学でもけっこう見えます。それを5か所に絞りました。
3年目の冬、私の店では、みんなの支えになっていた人が辞めました。そこから衝突が増え、退職が続きました。多い時は5人いた薬剤師が、最後は私1人になりました。
人は忙しさには耐えられても、忙しさが生む人間関係の悪化には耐えにくい
これが、この時に身にしみたことです。
職場見学で見る5か所
ここからが本題です。見学では、次の5か所に順番に目を向けます。
| 見る所 | 気になるサイン | 安心できるサイン |
|---|---|---|
| 1. 入口と受付 | 見学者に誰も声をかけない | 手が空いた人から一言ある |
| 2. 調剤室の会話 | 指示も相談も、ため息まじり | 短い声かけが行き来している |
| 3. 新人の作業台 | 手順書もメモも見当たらない | 手順や注意書きが目に入る |
| 4. シフト表 | 休みの欄に名前がほとんど無い | 有給の印が、いろいろな人に付いている |
| 5. 管理薬剤師の動き | 待合室で声が大きくなっても誰も出ない | 管理薬剤師が自分からカウンターに出る |
1か所だけで決めつけないでください。2か所以上で気になるサインが重なったら、注意して見るくらいがちょうどいいです。
1. 入口と受付:見学者への「最初の一言」
最初に見るのは、入った瞬間の空気です。見学者は、お客さんでも同僚でもない中途半端な立場です。
その人に、誰かが一言かけてくれるでしょうか?
ここに、新しい人を迎える余裕があるかが出ます。私の配属先は、役員と一緒に入っても、歓迎される感じはまったくありませんでした。
2. 調剤室の会話:誰が、どんな声で話しているか
次は、調剤室の中の声です。忙しい時間でも、「これお願いします」「ありがとう」の短い声が行き来しているかを聞きます。
見たいのは、誰が指示を出しているかです。私の配属先では、薬剤師たちが優秀な事務スタッフに逆らえず、顔色をうかがっていました。
これは事務スタッフが悪いのではありません。指示と責任を持つ人がいない、という仕組みの穴です。
声が少ないだけで、ちょっと怖くなりますよね。


静かなのは集中しているだけのこともあります。声の量より、ため息や舌打ちが混じるかを聞いてみてください。
3. 新人の作業台:手順書とメモがあるか
3つ目は、新人がどう覚えるかの跡です。棚の注意書き、手順のメモ、似た名前の薬の札などが目に入るかを見ます。
私の配属先には、それが何もありませんでした。薬を集める時のルールも、ベテランの記憶頼りでした。
そこで私は、すべての処方箋のコピーを取り、似た名前の薬の注意や確認した人の名前を書き込む形を作りました。取り違えと探す時間が減り、新人も早く覚えられるようになりました。
教え方の仕組みがある店は、新人に冷たくなりにくいです。教える人の負担が、一人に集まらないからです。
4. シフト表:休みの欄に誰の名前があるか
4つ目は、壁に貼ってあるシフト表や休みの予定です。見せてもらえるなら、有給の印が特定の人だけに偏っていないかを見ます。
私の配属先は、誰も有給を取ったことがない職場でした。スタッフは、代休を貯めて休んでいたそうです。
上の立場の人から「有給を取ってもいいけど、評価は下がるよ」と言われたこともあります。それでも私が先に取ると、ほかのスタッフも少しずつ譲り合って休むようになりました。
有給休暇は労働基準法で決められた休みです。取ったことで扱いが悪くなるのが気になる時は、労働基準監督署などに相談できます
休めない理由は、人数より「休んでいい空気」が無いことだったんです。あなたの職場の休みの表は、どうなっていますか?
5. 管理薬剤師の動き:困った時に、誰が前に出るか
最後は、管理薬剤師の動きです。見学中に待合室で声が大きくなったら、誰がカウンターに出るかを見ておきます。
私は1年目、待合室で怒鳴り声が聞こえたら、誰より早くカウンターに出ると決めていました。薬剤師と事務スタッフの盾になるためです。
掃除やレジ締めのような雑務を代わるより、こういう「空気を守る仕事」を拾う方が、店の雰囲気は変わりました。しばらくして、役員から「薬局の雰囲気が明るくなった」と言われたのを覚えています。
見学の日に、声が大きくなる場面があるとは限りません。その時は、このあと書く面接の質問で、管理薬剤師に直接聞いてみてください。
面接と見学で聞いておきたい質問
見るだけで分からない所は、聞いて埋めます。聞き方を少し変えるだけで、相手も答えやすくなります。
| 聞きたいこと | 聞き方の例 | 答えで見る所 |
|---|---|---|
| 新人の教え方 | 「入ったばかりの人は、どうやって仕事を覚えていますか?」 | 手順書・担当者など、具体的な答えが出るか |
| 休みの取りやすさ | 「有給は、みなさんどんなふうに取っていますか?」 | 決まった時期や順番の話が出るか |
| 管理薬剤師の在籍 | 「管理薬剤師の方は、こちらに何年いらっしゃいますか?」 | 短い期間で何度も代わっていないか |
| 困った時の流れ | 「クレームがあった時は、どなたが対応されていますか?」 | 名前や役割がすぐ出てくるか |
答えの中身より、すぐに具体的な言葉が出てくるかを見ます。言葉に詰まる質問があれば、そこが穴かもしれません。

そんなことを聞いたら、面接で嫌がられませんか?


「長く働きたいので」と一言添えると、質問の理由が相手に伝わりやすくなります。
管理薬剤師が「1年ごとに代わる店」には注意
特に聞いておきたいのが、管理薬剤師の在籍年数です。
私が6年目に転職した先の店は、着任前、管理薬剤師が1年ごとに代わっていたそうです。すぐに怒鳴る人がいた時期もあったと聞いています。
管理薬剤師がころころ代わる店は、空気も毎年リセットされやすい
その店で私は5年間、管理薬剤師を続けました。辞める時には、産休や育休の穴を、スタッフが知り合いを紹介して埋めてくれる職場になっていました。
見学では分からないこともある
ここまで書いてきましたが、正直に言うと、見学だけで全部は分かりません。短い見学で見えるのは、その店の一部です。
だから、見学だけで決めずに、次の3つを組み合わせるのが現実的です。
- 見学で、5か所の「跡」を見る
- 面接で、仕組みについて質問する
- 紹介会社を使うなら、担当者にもその店の様子を聞いてみる
担当者が付くタイプの紹介会社なら、見学したいことを最初に伝えておくと話が早くなります。たとえばファルマスタッフやアポプラス薬剤師のような薬剤師向けのサービスです(どちらも広告リンクです)。見学を組めるかどうかは、求人先によって変わります。
見学をお願いするのって、なんだか気が引けます。


気が引けますよね。でも入ってから合わないと分かる方が、お互いにとってずっと大変です。
自分の失敗も書いておきます
私自身、うまくいったことばかりではありません。最初の会社では、私の失敗もあり、5年間で10人以上の薬剤師や事務スタッフが辞めました。
最後の2年は、辞めた人はいませんでした。それでも、人間関係は一人の頑張りだけでは守りきれないと身にしみています。
だからこそ、入る前に避けられる穴は避けてほしいんです。それは逃げではなく、自分が力を出せる場所を選ぶことだと私は考えています。
よくある質問
Q. 見学を断られたら、その薬局はやめた方がいいですか?
それだけで決めなくて大丈夫です。忙しい時期で受けていないこともあります。理由を聞いて、別の日や面接の時に店の中を見られないか相談してみてください。
Q. 見学の時間はどれくらいが目安ですか?
決まりはありません。できれば、処方箋が多い時間帯を少し含めてもらえると、忙しい時の動き方が見えやすくなります。
Q. 人間関係が悪い職場は、入ってから変えられませんか?
変えられる部分はあります。私も、クレームの盾になることや休みを先に取ることで、空気が少しずつ変わりました。ただ時間も心の力も使うので、最初は穴の少ない職場を選ぶ方が楽です。
まとめ:見学の時間を「5か所」に使う
2つの店で管理薬剤師をしてきて、私が感じていることがあります。人間関係が悪い薬局は、人より仕組みの穴に原因があることが多い、ということです。
その穴の跡は、見学でもある程度見えます。
- 入口と受付の一言
- 調剤室の声
- 新人の作業台
- シフト表の休み
- 管理薬剤師の動き
今日できること
- この5か所をスマホのメモに写しておく
- 次の見学の日、メモを見ながら店に入る
- 2か所以上気になったら、面接で質問して確かめる
全部を完璧に見る必要はありません。この3つをするだけでも、入ってからのズレは減らしやすくなります。求人を探す段階なら、担当者が付く紹介会社を1社選んでおくと動きやすいです。
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